2010.12.06
11月はカンボジアで映画の撮影をしている向井理さんの撮影と、カンボジアの現状を取材して来ました。
まだ地雷が埋まっているという事は知ってはいても、世界的な観光地のアンコールワットからたった50kmも離れたらまだ地雷が埋まっていたり、300万人も虐殺したポルポト政権が終わったのが79年、私の生まれるたった一年前の話で、今も当時の処刑場には人骨や歯や衣服の切れ端が落ちている生々しい状態だったり、考えさせられる事が多かったです。それでも、そんな暗い過去があるとは思えないくらい現地の人はとても穏やかでした。ごみの山に撮影に行くと聞いた時、どんなにお金をたかられるのかと思っていたら、ゴミから売れる鉄クズを探している子供達はお金をくれなど言わずに黙々とゴミを掘り起こし、最後には手を振って別れてくれた時…言葉に表せなかったです。
この写真に写っている子も遺跡の中でお金をせびらず観光客が捨てたペットボトルを黙々と集めていました。そして一人でぼーっと遺跡を眺めている私を見つけ、迷路の様な遺跡の中で地元の子供の秘密隠れ家の様なルートを案内してくれました。普通なら見つからない様な壁の裏にある彫刻を私に自慢げに見せてくれました。案内をしつつも時折壁に掘られた彫刻をじっと真剣に見つめていました。ただお小遣い稼ぎに案内してるだけじゃなくて本当に彫刻を美しいと思っているんだなって感じさせてくれた、その眼差しが本当に綺麗でした。もし彼が学校に通えて美術を学べたらどんなに良いだろう。
学校を立てるのもボランティアをするのも簡単な事だと思います。お金を渡すだけではなくどうやって持続するか、そこが問題です。だからカンボジアでは学校が建っても結局廃校になってしまった学校が沢山あるそうです。そしてボランティアをしてみるとこんな小さい事で何かが変っているんだろうか?と無力感を味わう事も確かです。それでも自分が無力だとしても何もしないで見ているよりも、小さい事でもいいから何か自分が出来る事をしてみたいといつも思うのです。
そんなこんななカンボジアの写真は12月14日発売のクイックジャパンで見れます。